野生動物が取引される武漢の海鮮卸売市場

中国の武漢市で新型コロナウイルスが発生しました。
発端は12月中旬に肺炎に似た症状が集団発生したことからで、その後新型コロナウイルスによる感染症であると分かりました。

 

武漢で発見された新型コロナウイルスの感染症例は、市内にある武漢華南海鮮卸売市場に出入りする人に多く見つかっていることから、当初からこの海鮮卸売市場が発生源だとみられていました。

 

 

そんな海鮮卸売市場では、ひしめき合う屋台で直接の感染源になったとされる野生動物のほか、外来種を含む合計で112種類の野生動物や希少生物が食用として取引されていたことが指摘されていて、その中には、コアラ・キツネ・ワニ・オオカミの子ども・オオサンショウウオ・ネズミ・クジャク・ラクダなどが含まれます。

 

今回の新型コロナウイルスは、生鮮市場内のどこかで動物から人間に感染したと疫学者は疑っており、この生鮮市場は1月1日から閉鎖されています。

 

 

新型コロナウイルスが原因の肺炎で最初の死亡者となったのは60代の男性で、この方が武漢華南海鮮卸売市場の関係者だったことから、当局は市場を閉鎖して徹底した消毒を行うとともに、感染源の特定を急いでいました。
ウイルスの正確な感染源を突き止めることは、種を越えた感染を将来的に防止するための最優先課題となっており、その後、中国の国家対策委員会が公開したウイルスのゲノム配列から、今回の新型コロナウイルスは「ヘビからヒトに感染した可能性が高い」ことが判明しました。

 

 

野生動物を食べる習慣が原因で、中国がアウトブレイク(爆発的大流行)の発生源になったのは、今回の新型コロナウイルスが初めてではなく、2002年には重症急性呼吸器症候群(SARS)が中国を中心に大流行し、8096人がSARSコロナウイルスに感染、世界37カ国で774人が死亡するなど、猛威を振るいました。
このSARSコロナウイルスは、中国で美味な食材として重宝されているジャコウネコが感染源だとされています。

 

SARSコロナウイルスもワクチンはまだできてないないのが現状で、今回の新型コロナウイルスも分離、培養に成功はしましたが、ワクチンが実際に使えるまでには年単位の時間がかかるといわれています。